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昼下がりの太陽がテーブルに――待ち合わせのスローボート
妻と娘が買い物に行っているあいだ、市場の近くで見つけたミャンマー料理屋さんで待機。
アウンサンスーチー女史の写真が掲げられていて、なるほどミャンマーっぽい。
ミャンマー料理になにがあるのか分からず、メニューを見ても当然味までは想像できない。まずは、ビールを飲んで、妻と娘が帰ってくるのを待つ。
どんどん日が傾いてきた。テーブルの上に翳を落とす頃にになってやっと戻ってきた妻は「長引いちゃった?」足元をちらちら見ながらぼくに問いかける。なるほど、新しい靴を買うのに手間取っていたわけだ。娘は満面の笑みでアニメのシール(冊子になっているのだ)をめくり続けて、父親がそこにいることを忘れてしまっている。
そういえば、料理の名前も忘れてしまったけれど、写真を撮るのも忘れていた。揚げ物とかヤキソバのようなものとか、とにかく美味しかった。食べている途中で、無作法だけどカシャリ。妻は靴ばかり見ていて、娘はシールをめくり続けているのだから、だれも文句なんていわない。