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ガルシア=マルケス――『予告された殺人の記録』について
小説の投稿サイトにアップされている作品へ感想を書きたいのですが、考えがまとまらない。それはそれでいつも、なのですが、今日はあまりにもひどいとっ散らかりようです。
で、うわーーつって息抜きにフラリと訪れた某裏チャンネルにて、マルケスの話があったので、少し。
マルケスは『予告された殺人の記録』を自身で最高の出来だといっているらしい。で、ぼくも『予告された殺人の記録』の素晴らしさには、ため息しかでません。たぶん、50回は読んでいるのですが、読むたびにその完璧さにうっとりとしてしまいます。どんな些細な出来事にも、どんなちっぽけな細部にも、『意味』が纏わりついていて、その『意味』が他の『意味』と響きあっている。
あの綿密さとあのリーダブルな感じ、政治や自由や移民や集団意識や欠落や過剰や言語や因習や男と女が渾然としていて、しかも繋がっている。マジックリアリズムどうとか以前、ずっとずっと前に面白さがやってくる。そんなすごい作品です。
また『予告された殺人の記録』のワンエピソードから、『コレラの時代の愛』が生まれています。ちなみにそのエピソードは恐ろしくカッコイイ。カッコイイ。カッコイイ。ぜひ一読を。
最後に、岩波からでてる『物語の作り方-ガルシア=マルケスのシナリオ教室』もすごくいい。ガボ(マルケスのあだ名らしい)の良いところと、悪いところ、瞬発力とか創造性みたいなところが、篠竹からしたたる甘い甘い蜜のように洩れてきています。